KSB瀬戸内海放送にて放送中の「高校生と見つけるSDGs」に、NGPの「香川県豊島環境保全・再生活動」が取材されました。2名の学生が実際に豊島を訪れ、豊島で起きた産業廃棄物不法投棄事件の歴史や、NGPがお手伝いしている豊島の植生回復活動などについてお話しました。
豊島事件とNGPの取り組みについての詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.ngp.gr.jp/sdgs/teshima/
まず始めに「豊島のこころ資料館」の見学からスタート。この建物は、有害廃棄物を持ち込んだ事業者が現場事務所として使用していた建物をそのまま利用している資料館です。資料館の中には産廃(シュレッダーダスト)の剥ぎ取り壁面が展示されているほか、数十年にわたる豊島事件に関する資料、当時の写真などが展示されており、豊島事件を語り継ぐため、環境教育の場として欠かせない場所になっています。廃棄物対策豊島住民会議※1の石井さんは、語り部として豊島で何が起きていたのか、資料を丁寧に説明しながら想いをこめて話をされました。
続いて産業廃棄物の不法投棄現場にやってきました。この場所は、実際に産業廃棄物の不法投棄が行われた場所です。広大な土地で産業廃棄物の野積みや野焼きが行われ、住民への健康被害や土壌汚染など、多くの被害をもたらしました。現在も地下水の浄化など、まだ完全には回復していません。参加した学生は、当時の廃棄量の多さを想像させられるだけでなく、豊島の美しい自然は奪われたままであることを実感していました。
続いてNGPの植生回復活動について紹介しました。NGPは豊島の環境保全・再生活動の一環として、岡山大学の嶋教授と連携して豊島の元の植生を取り戻すための活動を行っています。豊島事件によって一度失われた植生は、簡単には元通りになりません。豊島本来の植生を取り戻すために、市販の種ではなく、豊島の植生が根付いている土地から種子の混ざった土を運び、研究区画に撒く「表土撒き出し法」で芽が出たものを丁寧に管理しています。手作業で見分けながら雑草を刈り取る作業を、学生にも体験してもらいました。
最後は不法投棄現場を見渡せる展望台に来ました。今はまだ嶋教授と整備をしている最中ですが、将来的には環境教育の場として活用したいと考えている場所です。また、展望台へ続く階段脇には、本来の豊島の植生が分かる「見本園」を作る予定です。国立公園にふさわしい姿への原状回復を目指すだけでなく、豊島事件のようなことが二度と繰り返されないよう、環境教育の場としても活用し、持続可能な形で次の世代に引き継ぐという、NGPの活動に対する想いを伝えました。
参加した学生からは、
「実際に豊島の環境保全・再生活動を体験することが出来て、学校での実習とは意味合いが違うのでいい体験になった」
「これからは『社会のために』ということが、より大切になる時代になっていくと思うので、そこを実体験で学べたのが良かった。私たちも就職して、上の世代になっていくので、次の世代にも継いでいきたいと思いました」と、感想をいただきました。
それを受けて、NGP協同組合 サステナブル委員会の岸本委員長は「二人の言葉を聞いて、私たちはこの活動を続けてきてよかったなと思いました。『次の世代にも継いでいきたい』ということも聞けて、意味のあることが出来て良かった」と、語りました。
NGPはこれからも、環境保全・再生活動と3Rの大切さを後世に伝える活動に取り組んでまいります。
放送スケジュール
第1回目:本放送 7月20日(日)18:52-18:56 再放送 7月24日(木)24:35-24:40
第2回目:本放送 7月27日(日)19:54-19:58 再放送 8月1日 (金)24:15-24:20
第3回目:本放送 8月4日 (日)19:54-19:58 再放送 8月8日 (金)24:15-24:20
番組情報
https://www.ksb.co.jp/sdgs/#onair
※1廃棄物対策豊島住民会議…豊島への産業廃棄物の不法投棄事件に対抗するため、豊島の住民が発足した団体。豊島事件に関する諸問題の解決に向けた活動だけでなく、事件を後世に伝えるためのガイドや講演等の環境教育活動も行っている。