お知らせinformation

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP

2025年9月30日

近年、毎年のように大雨や台風による水害が全国各地で発生しています。

NGPでは、2015年の茨城県常総市の水害以来、その都度、損害保険会社からの要請を受け、臨時のヤード(車両受け入れ拠点)を設け、被災車両の引き取りを続けてきました。
当初は電話やFAX、メールでやり取りを行う、いわばアナログな方法で運営していました。しかし、依頼の伝達が遅れて引き取りに行けないケースもあり、被災地での迅速対応に課題が残っていました。
そこでNGPは2020年度に「水害車両管理システム」の開発に着手し、2021年の福岡・佐賀の豪雨から本格的に稼働を開始。
今では、保険会社の担当者やサービスセンターと情報をリアルタイムで共有でき、現場の効率が大きく改善しました。このシステムを使えば、被災車両の受付からヤードへの搬入状況、部品として利用できるかどうかの判断、書類の抹消状況まで、一元的に管理できます。現場ではタブレットやスマートフォンで車両や書類を撮影し、そのまま記録を共有できるため、インターネットを介してどこからでも確認が可能です。

NGPの強みは、全国130社・9ブロックから成るネットワークにあります。
どこで水害が起きても、地域の組合員がすぐに動ける体制を整えており、被害の規模に応じて他地域からの応援も可能です。今回の九州豪雨(2025年8月)では、九州ブロック15社に加え、中国・四国ブロックから12社が応援に入り、レッカー車・積載車13台を投入。特に被害の大きかった熊本では2か所の臨時ヤードを設け、数千台規模の被災車両を引き取りました。

水害車両管理システムによるリードタイム短縮と、応援要員の加わった増強体制により、1日の稼働・引取能力が向上。その結果、発災から1か月で、依頼された車両の90%以上を引き取り完了することができました。
これらの積み重ねにより、従来よりも格段にスピードアップした対応が可能となり、被災地の復旧を大きく後押ししています。

NGPは、被災車両を単なる廃棄物ではなく、「限りある資源」として再生することを使命としています。
ドアやバンパーなど外装部品の多くは部品としての再利用が可能です。
これからもNGPは、全国ネットワークと提携企業との協力を通じ、被災地の復旧と資源循環の両立を目指していきます。

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

今回の九州豪雨では、九州ブロック15社に加え、中国・四国ブロックから12社が応援に入り、被災地の復興を支援

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

合計13台のレッカー車・積載車で、被災車両の引き取り作業に臨んだ

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

損害保険会社などからの連絡を受けて、現場に向かい、被災車両を引き取る

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

現場から引き取った車両はヤードへ運ぶ

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

損害保険会社等へ報告するとともに状態を確認

水害対応の歩みと進化 ― 全国ネットワークで被災地を支えるNGP1

「水害車両管理システム」の活用で、依頼から引き取りまでのスピードが格段に速くなり、被災地の復旧支援につながっている

一覧へ戻る

ページ上部へ